シャンパンは言葉となり
シャンパンは行動となり
シャンパンは習慣となり
シャンパンは人格となり
シャンパンは運命となる
こんな言葉を残した(USO)イギリスの第71代首相、マーガレット・ヒルダ・サッチャー氏。確か自分が小学生くらいだったころにそのお名前をよくTVのニュースで耳にしていた気がします。
さて、そんなさっちゃんの愛したシングルモルトウィスキーをご紹介します。
GLENFARCLAS
スコットランドのスペイサイドで作られているシングルモルトウィスキーです。製造しているのはグレンファークラス蒸留所。意味は「緑の草の谷」。創業者一族が今もなお家族経営を行っている蒸留所です。グレンファークラス蒸留所の特徴と言えば
・家族経営
・ガス直火蒸留
・シェリー樽へのこだわり
といって物が挙げられます。
~家族経営~
蒸留所は1836年初代オーナーのロバート・ヘイが設立。とありますが、同じ場所で1790年代から蒸留していた記録も出てきたそうで、真相は謎。
その後1865年にヘイさんが亡くなり、蒸留所を512ポンドで買い取ったのが隣人のジョン・グラント。ここからグラントさん家の家族経営蒸留所がスタートします。
が、それ以来ずっと順風満帆ってわけじゃありません。
まずジョン・スミス氏に蒸留所を引き渡す
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1869年 ジョン・スミスさん、「俺、クラガンモア蒸留所やるからファークラス返すわ。」とグラントさんに蒸留所返却。(まるでDVDの貸し借りのようだw)
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1870年 ジョンの息子の二代目ジョージ・グラントがウィスキー作りに参戦。英国植民地向けのウィスキーを生産
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1880年 ダンネージ式熟成庫が完成(現在も当時の姿のまま使われています)
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1889年 パティソン・エルダー社(パティソン兄弟が作った新興のブレンド会社)と事業提携。同年に初代のジョン・グラント氏が亡くなる
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1890年、お父さんに続いて二代目ジョージ・グラント氏が急逝。三代目ジョージ・グラントが16歳で家督相続。
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1898年、パティソン・エルダー社多額の負債を抱えて破産。三代目ジョージかなり困る。残していた原酒販売で耐え忍ぶ。(ちなみに数年後にパティソン兄弟、詐欺と横領で投獄されています)ここから約15年に渡り経営再建にかなり苦労。ここでグラント家の独立精神「The Spirit of Independence」が誕生。
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1950年、四代目ジョージ・S・グラントがオーナー就任。ブレンデッドウィスキーが大人気となり、ブレンデッド用の原酒を供給。
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1960年、蒸留器が2基から4基体制に。生産量が倍増。
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1968年、ブレンデッドウィスキーブームが去り、大手ブレンデッドメーカーから契約を打ち切られる。が、四代目はこれを予見。「蒸留所の未来は自社ブランド確立やで」と予め原酒をストック。カスクストレングス(後に「グレンファークラス105」に改名)を発売。←さっちゃんが好きなのはコレ
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1973年、蒸留所、ビジターセンター設立。スコットランド銀行やティーチャーズウィスキーで修行してきた後の五代目ジョン・LS・グラントが経営に参戦。
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1976年、業界的に減産傾向の中、時代に逆行し蒸留器を6基体制化で増産体制を敷く。結果的に現在でも古い原酒を豊富にストック出来ているのはここの増産体制化の影響が大きい。
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LSさんがセールスマンとして世界中に販売網を築く。毎年スペインのシェリー業者を訪れ、現在もシェリー樽の安定供給も確保できている。
~ガス直火蒸留~
ガス直火蒸留は間接加熱蒸留と比較すると熱伝導の仕方が「良い意味でムラが出来る」との事で、このムラが複雑かつ豊かなフレーバーに一役買っているのだとか。
~シェリー樽へのこだわり~
シェリー樽と言っても
・オロロソカスク
・フィノカスク
・アモンティリャードカスク
・モスカテルカスク
・ペドロヒメネスカスク
etc.etc…様々なシェリーカスクが存在しますが、 グレンファークラスは 濃厚ベリー系の風味をウィスキーに付与するオロロソシェリー樽熟成にこだわっております。
シェリー樽って高いんです・・・よく比較される「バーボン樽」ですが、バーボンはご存じアメリカのバーボンウィスキーです。そのバーボン樽って実はシェリーと違い、製造ルール上再利用が出来ません。という事は空き樽がたくさんある。という事です。シェリーはうなぎ屋のタレみたいな感じでソレラシステムという簡単に言うと継ぎ足し?みたいな製法を取っているので空き樽があまりないんです。
これが最近のバーボン樽熟成が多かったり、シェリー樽のシーズニング(製樽業者がシェリー熟成後と同じ環境の樽を製造する事)に繋がる理由になっていると考えられます。
当然コストのかかるシェリー樽よりバーボン樽の方が「経営的」には好まれますので、大手企業のウィスキー等はこちらへ移行する事が多いです。が、グレンファークラスは家族経営蒸留所だからこそ、オロロソシェリーへのこだわりを発揮出来ている訳です。
あ、別にバーボン樽熟成が悪いわけじゃないですよ?バーボン樽熟成は独特の甘さやバニラ香といった私好みに香りをウィスキーに付与してくれる素晴らしい樽熟成方式です。
~BAR11で飲めるグレンファークラス~
現在BAR11にあるグレンファークラスは
①105(1990年代のボトル)
②105(現行型ボトル)
③17年
がございます。それぞれキャラが全然違うので是非飲み比べてみてください。因みに①ご注文の方でご希望の方には②をハーフショットサービスさせて頂きます。
さっちゃん飲みに来ーへんかな?